日本の発酵食品に欠かせない麹菌たち
泡盛造りに適したアスペルギルス・アワモリ!?
実は、麹菌は約200種類いると言われています。
しかも、湿度を好むため東アジア圏にしか棲息していないんだとか。
その中でも、日本の発酵食品に欠かせない麹菌たちをご紹介します。
アスペルギルス・オリゼー
和名は「ニホンコウジカビ」。日本酒や味噌、醤油の製造に広く用いられ、「黄麹菌」とも呼ばれます。
近縁のアスペルギルス・フラバスの突然変異体を家畜化したと考えられています。
アスペルギルス・ソーエ
和名は「ショウユコウジカビ」。オリゼーの近縁で、こちらも「黄麹菌」と呼ばれます。
タンパク質分解酵素をたくさん作る株が多く、濃厚な醤油や味噌を製造する際などに使われます。
ちなみに、たまり醤油や豆味噌製造に適した麹菌として「アスペルギルス・タマリ」という種もあります。
アスペルギルス・カワチ
河内源一郎が発見した麹菌で「白麹菌」とも呼ばれます。
他の麹菌と違ってクエン酸を作り出す能力が高く、雑菌による麹の腐敗を防ぐことができます。そのため、気温が高い地域での酒造りに適しており、焼酎造りに使われます。
ちなみに、泡盛造りに適した麹菌として「アスペルギルス・アワモリ(黒麹菌)」という種もあります。
アスペルギルス・グルカス
鰹節づくりに使われる麹菌で、単に「カツオブシ菌」とも呼ばれます。
他の麹菌と違って、水分が少なくても増えることができ、タンパク質や脂肪を分解して独特の旨味と芳香を出します。