研究チームは、市販の甘酒14種類について調べました。
その結果、甘酒の原料によってプロラミン含有量に違いがあることがわかったのです!
もっともプロラミン含有量が多かったのは「米麹と米から作った甘酒」で、最も少なかったのは「米麹だけから作った甘酒」でした。
多い : 米麹+米甘酒 > 米麹+酒粕甘酒 > 酒粕のみの甘酒 > 米麹のみの甘酒 : 少ない
ちょっと意外だと思いませんか?
私は「米麹だけから作った甘酒」が体にも品質的にも一番良さそうなイメージがあったので、少し驚きました。
このような順番になった理由は、“プロラミンが分解されやすいこと”にありました。
プロラミンはお米に含まれているタンパク質です。そのため、麹菌がもっている「プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)」と長く同じ場所に置かれるとバラバラに分解されてしまいます。
「米麹だけから作った甘酒」は、米麹を作る段階→甘酒を作る段階とずっとプロテアーゼが働いていますから、プロラミンがどんどん分解されてしまうのです。
一方、「米麹と米から作った甘酒」は、甘酒を作る段階になって、後から米が入れられます。そのため、プロラミンがプロテアーゼに触れている時間が短く、分解されずに残ったプロラミンが多かったと考えられます。