飯能市立博物館「清酒造・濁酒造・醤油造税金減納嘆願書」のご紹介

OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~のすぐ近く、
「飯能市立博物館」には、【今月の一品】として月替わりの展示コーナーがあります。
1月の展示も発酵に関連して、”酒と醤油にまつわる文書”を展示いただいておりますのでご紹介いたします。

 

※記事の内容は、飯能市立博物館・株式会社ブラウズ様のご協力により、1月16日の文化新聞コラムに掲載されていた内容をご紹介しております。

 

清酒造・濁酒造・醤油造税金減納嘆願書

 

税の減免を求めて

この文書は、明治5(1872)年に上名栗村・下名栗村・赤沢村・原市場村・中藤村で清酒・濁酒・醤油造で商売をしていた人々が、入間県に対して税の減免を求めて差し出したものです。
明治時代に入る前、江戸時代の日本では「株(鑑札)」を持つ人だけが酒や醤油を造って売ることが許されていました。その後、明治4(1871)年にそれまでの鑑札が廃止され、酒造や醤油などの醸造、そしてこれらの税に関わる規則(「清濁酒醤油醸造株鑑札収与税則」「清酒濁酒醤油鑑札収与並ニ収税方法規則」)が定められました。その結果、規定の金額を払えばだれでも酒造や醤油造りを行うことができるようになりました。


さて、文書を見ると、昨年に仕込んだ分が今年はまだ半分しか売捌けていないことや、東京あるいは市や河岸などへの輸出が難しい土地柄であること、また、近隣で神酒や農家の人が呑む分を売ることくらいしかできない極めて苦しく不便な地理状況であることを理由に、既定の税を払うことが難しいと訴え、税の半減を求めています。

嘆願書で自分たちの窮状を大げさに記すことは往々にして行われることであり、記述がどこまで実態に沿っているかについて多少の疑問は残ります。しかし、本史料は山間の村々における造酒や醤油造の様相を垣間見ることができることは確かであり、興味深いものであるといえます。

 

 

近隣では、五十嵐酒造様や弓削多醤油様の蔵が有名ですが、山間部でも酒造り・醤油造りが行われていたのですね。今よりももっと醸造が身近であったことがうかがえます。

文書の実物は、飯能市立博物館の「今月の一品」展示にて見ることができます。OH!!!にて発酵食品を味わいながら、昔から受け継がれる日本文化に触れてみるのはいかがでしょうか。

 

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飯能市立博物館(愛称:きっとす)
住所:   〒357-0063 埼玉県飯能市大字飯能258-1
開館時間: 午前9時~午後5時
入館料:  無料
休館日:  月曜日、祝日の翌日(ただしこの日が休日の場合は開館)、年末年始(12月28日~1月4日)
※臨時で休館することがあります。