桜は見るだけではなく、食にも登場してきます。結納や結婚式などで桜の浮いた飲み物を見たことがあるでしょうか。
お祝いの席に登場する桜湯は、桜の花びらをひとつひとつていねいに塩漬けしたものを一度塩抜きし、茶碗に入れてお湯を注いだ飲み物です。
これは、「花開く」様子が縁起物とされており、おめでたい飲み物として扱われています。
お茶が出ない理由として、「お茶を濁す」や「茶化す」という意味に通じることから敬遠されているそうです。
しかし、江戸時代初期までは桜の花が散る時に気持ちがさめることにつながると考えられ、桜の季節に婚礼を避ける風習などがあったそうです。
良くも悪くも、桜は人々の暮らしに深く関わりながら存在してきたと言えるでしょう。
桜湯に使われている桜の塩漬けは、ほかにもお寿司や和菓子などにも使われることが多く、春を代表する食べ物といえるのではないでしょうか。